会報
会報第27号———2018年9月9日発行


交流活動


煉精化気、煉気化神、煉神還虚

薛 永斌

「気功が与えてくれたもの」

大里 喜代美

「太極拳と出会い、発見と感動の連続です」

小口 由紀江


交流活動

樹林練功会

 今年下半期の樹林練功会は 10 月 7 日(日)、11 月 11 日(日)、12 月2 日(日) の各日 10:30 ~ 11:30 代々木公園中央広場で開催します。

集中講座

 10 月 29 日(月) ~ 11 月 9 日(金)(暫定)東京都内の各会場で開催する予定です。

秋合宿

 10 月 27 日(土) ~ 28 日(日) 埼玉県嵐山町にある国立女性教育会館で行います。


煉精化気、煉気化神、煉神還虚

薛 永斌

 練功を始めると先ず体を伸ばし、のびのびとした形を形成します。
顎を引いて、下丹田に意識をある程度集中し、体をリラックスさせます。
手、足、頭、胴体を一つに合わせるように纏めます。
体の充実感が出れば、細かくバランスを取るようにします。
もっと軽く、楽にできるだろうかと微調整します。
それはいわゆる“煉精化気、煉気化神、煉神還虚”過程の簡潔なポイントです。


「気功が与えてくれたもの」

本部(金曜初級教室・中級Ⅱ108式)
大里 喜代美


大里喜代美さん

 <出会いから、はや四半世紀>
 25年程前、勤務先で昼食後の短い時間に藤島さんから気功(白鶴展翅)を2回教えていただいたことに始まります。
 その後、全くそのことを忘れていましたが、2001年体調を崩して(更年期障害から軽いうつ状態になりました)退職し、半年が過ぎ症状も安定してきたころ、 「何か始めたい」と考えていたときにふと思い出したのが、緩やかな動作の気功でした。藤島さんにお聞きし、すぐに問い合わせの電話をしました。 そのときに対応しパンフレットを送ってくださったのが薛先生でした。名称は無極静功日本であり、指導者が薛永斌先生であることを知りました。

 2002年3月に明大前の水曜教室に入会しました。
 水曜教室はベテランの方々が多く、ついて行くのが精一杯で何もわからず戸惑いばかりで、薛先生に「基礎から教えてくださる教室はないですか?」とお尋ねしたことを覚えています。 その後、金曜の初級教室ができてそちらに移りました。
 幼少の頃から身体を動かすことが好きで、学生時代~結婚後も断続的ではありますが、徒手体操やジャズダンス、タップダンス、フラダンスなどを行ってきました。 しかし、これほどゆっくりとした動きを体験したのは初めてでした。一番苦労したのが三円式の時で、手の重さに耐えるのがとても大変でしたが、大村先生の熱心なご指導の下なんとか十二法ができるようになりました。 いつの間にか重く感じられた手が軽くなり、丹田、指先、労宮に説明できない充実感を感じられるようになってきたのです。それとともに少しずつ体調もよくなり、気功をすることが楽しく、夢中になりました。 24式、定歩、剣、108式、活歩と挑戦していきました。剣や108式など覚えられるだろうか、と不安になりましたが、素晴らしい先生方やお友達に恵まれ挫折することなく練功を続け、覚えることができました。何事も努力を惜しまず、継続することが大切なのだと改めて実感しました。

 大村先生から段級試験のお話を何度かお聞きしましたが、私にはあまり関心がありませんでした。健康のために気功を続けていかれたら、と思っていたからです。 ある時、大炊さんから「一緒に試験を受けませんか」とお誘いをいただき迷いましたが、受験することにしました。気功を始めてから10年が経過していました。2013年4月に1級を取得しました。

 <地域の皆さんと>
 その後、段級試験の受験を継続して2016年5月に3段を取得してから目標ができました。
 現在、多摩エリアに居住して37年になりますが、地域の方々も高齢者やひとり暮らしの方が多くなり、人と人とのつながりやコミュニケーションが以前に比べ薄れてきているように感じています。 気功を通じて、日々お世話になっている地域の方々のつながりの場を提供することで、地域の活性化に貢献したい、と思うようになりました。
 2017年4月に薛先生のお許しをいただき「多摩ブリリア 養生気功の会」を発足しました。教室の開始に先駆け、3月に開催した体験教室に参加いただいた12名(男性6名、女性6名)がそのまま入会してくださいました。 生徒の方々の年齢は60歳~80歳と幅広く、病後の後遺症をお持ちの方、リウマチの方など、どこかしらに痛みをお持ちの方々です。各々の体調に合わせて、無理せずゆっくり練功しています。
 指導法には様々な工夫をしています。 順気法は指の動きが大変難しいところですので、どう説明したらわかっていただけるかを考え『あやとり』を用意しました。指1本1本を意識して動かす練習に活用しています。 また、重要となる腰の動きをマスターするために『焼き鳥法』と名付けた練習をしています。準備運動の時に站功の姿勢から腕を胸の前で組み、 尾骶骨から串を刺すイメージで腰を落とし左右45°に回す練習をすることで、軸の感覚がわかり、腰が左右に揺れることが少なくなってきたようです。
 教室開始から1年が過ぎましたが、入会時と比べ、生徒の方々の表情が明るく元気になり、リラックスして練功されています。12法の1つ1つ動きが綺麗になるなど、 生徒の方々の成長を見るととても嬉しくなります。休まず熱心に出席してくださることに感謝しています。
 2018年6月からは、薛先生のお許しをいただき、生徒の方々が興味をお持ちの太極24式を始めています。指導時に集中講義で受けた実技がとても役に立ち良かったと思います。 1つずつゆっくりと覚えていただき、1年後にどこまでできるようになっているか楽しみにしています。そのためにも、私自身が生徒の方々に正しく指導できるよう、努力しなければなりません。

 最後になりますが、薛先生をはじめ講師、先輩の皆さまに感謝するとともに、今後とも、変わらないご指導とご支援をいただきますよう、よろしくお願いいたします。 「多摩ブリリア 養生気功の会」の皆さんと

<「多摩ブリリア 養生気功の会」の皆さんと>

「太極拳と出会い、発見と感動の連続です」

本部土曜日 初級教室
小口 由紀江


小口由紀江さん

 たまたま近所にあった教室の門を興味本位で叩いたのが、私の太極拳との出会い。それが13年もの長いお付き合いになるとは思ってもみませんでした。
習い始めた当初は、まず太極拳の独特の動きに魅了されました。身体の細部や深部にまで感覚を行き渡らせながら、ゆっくりと動かす……、ただそれだけで1週間のストレスがすうっと消え去る、 これまで経験したことのない不思議な爽快感があり、最初の数年は、その快感を味わうためだけに教室に通っていたと言っても過言ではありません。

 それでも継続しているうちに、一連の動作の奥に隠された意味のようなものに、少しずつ気づくようになってきました。 以前、教室で十大形の練習をしたことがあります。地面を這うヘビや木の実をとるサル、空を駆ける龍など、動物を真似た動きが楽しい練習でした。 毎日を命がけで生きる動物たちの動きは、研ぎ澄まされた、しなやかな所作の連続です。そして、テレビに映るトップアスリートの美しいフォームや名匠と呼ばれる職人さんの熟練した手技は、 それらの動物たちと同様、理にかなった無駄のない動きになっているに違いないことが、想像できるようになりました。

 また、推手の練習は、「この套路はなぜ、この形に動かすのか?」「なぜこの角度、このタイミングなのか?」など、理屈で考えるのが苦手な私にとって、 現実に相手を目の前にすることで、優れた技の意味や原理を体感できる格好の機会です。 なかでも、24式の調気法の実技は、実際に相手の手首を握ることで、「套路で地味に指を1本ずつ順に動かすことの意味はそういうことだったのか!」と、目からウロコの衝撃的な体験でした。
小口由紀江さん

 と同時に、同じ動きをしても反応は相手によってまったく異なること、自分の思うように相手は動かないこと、 自分の無意識も微妙に相手に伝わり影響すること、柔らかい動きこそ実は強いこと、この推手を通して得られたさまざまな発見は、私自身の、日常生活での人との関わり方にも、大きな変化をもたらしてくれました。
 これまであまり意識していなかったけれど、実は、同じ空間を共有しているということは互いに影響を与えあっているのだという感覚や、相手を柔軟に受け入れることの大切さ、自分も相手も絶えず変化しているということ……。
 太極拳は私に、身体の隅々まで、深く、丁寧に意識を配ることを教えてくれました。そして、その感覚を磨くことの積み重ねにより、今までぼんやりと眺めていた現実のその奥に、 もっと深い真理のようなものが隠れていることを、気づかせてくれたように思います。
 例えば、今、手にしている牛乳パック。どれだけの人々のこうしたい!で、ここに、こうして存在しているのか… テレビで目にしたモリアオガエルは木の上に卵を産むようになるまでには、いったい、どれだけのできごとがあったのか…。太極拳とは関係ない⁉
 カメの歩みのごとく、超〜緩やかな螺旋階段ではありますが、太極拳を継続できることに感謝して、これからも一歩ずつステップアップしていけたら、と思っています。



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